なぜパンは体に悪いのか?消化に悪いことが知られていない理由や成分を解説
パンが体に悪いといわれる理由
パンが体に悪いと言われる原因は、パンの原材料である小麦粉にあるが、1日あたり適量ならパンを食べても問題ない。
- 小麦粉は糖質が高い
- 小麦粉を使った食品が多くて食べてしまいがち
- 小麦粉にはグルテンが含まれており消化に悪い
- 小麦粉には依存性があると言われている
「パンを食べると太る」「お米を食べると太る」など、糖質が体に悪いという印象を受け付けるようなデマや情報が多くなっています。
はたして本当にパンやご飯は体に悪いのでしょうか?
パンもご飯も主食となっており大切な栄養源のはずです。
これを読んでいるあなたはどう思われますか?
おやつを食べたり高カロリーのドリンクなどは飲むのに、ご飯やパンを減らすという現代人の間違った食生活こそ危険です。
パンの原材料やカロリー
パンの原材料は、小麦粉、ドライイースト、砂糖、バター、塩です。
どれも適量であれば体に影響はありません。
小麦粉アレルギーがある場合のみ影響があります。
ドライイーストは記事を発酵させるために必要なもので、こだわりがある人は天然酵母を使います。
砂糖は発酵させるために少量使うもので、本来は甘みを出すために使うものではありません。
塩とバターで小麦粉の旨みを引き出す感じです。
シンプルなパンは小麦粉のほどよい甘さを感じる焼き上がりになります。
シンプルなパンほどパンらしい美味しさが滲み出ますね。
小麦粉の糖質は?
小麦粉(薄力粉)100gあたりの糖質は73.4g。
非常に糖質が高いことがわかります。
食パン6枚切り1枚あたりの糖質は?
食パン6枚切り1枚あたりの糖質量はおよそ26gです。
6枚切りの食パンを2枚食べても1食あたりの糖質量程度で食べ過ぎとは言えません。
食パンにつけるジャムやバターやマーガリンなどのカロリーを考えて太りすぎないバランスにする必要があります。
カロリー | 158kcal |
たんぱく質 | 5.58g |
脂質 | 2.64g |
炭水化物 | 28.02g(糖質 26.64g 食物繊維 1.38g) |
小麦粉(薄力粉)100gあたりのカロリーや栄養素
カロリー | 368kcal |
たんぱく質 | 8g |
脂質 | 1.7g |
炭水化物 | 75.9g(糖質 73.4g 食物繊維 2.5g) |
全粒粉の100gあたりのカロリーや栄養素
カロリー | 328kcal |
たんぱく質 | 12.8g |
脂質 | 2.9g |
炭水化物 | 68.2g(糖質 57g 食物繊維 11.2g) |
全粒粉は小麦よりも栄養価が高く、ビタミン・ミネラル・食物繊維・ポリフェノールなどの含有量が多い。特にビタミンB1、食物繊維、鉄分は、小麦粉の約3倍含む。
1日に必要な糖質の量は?
トレーニング量 | 体重1キロあたりの糖質量目安 | 体重50kgあたり | 体重60kgあたり |
---|---|---|---|
運動量が少ない人 | 3〜5g | 150〜250g | 180〜300g |
運動量が適度な人 | 5〜7g | 250〜350g | 300〜420g |
運動量が多い人 | 6〜10g | 300〜500g | 360〜600g |
ダイエット中にパンやごはんを一時的にやめてみるのは効果的ですが、そのほかの食事でカロリーを摂りすぎているものがないか見直してみましょう。
白米100gのカロリーは168kcalで糖質の量は36.8gとパンよりも糖質量が高いです。
だからといってご飯の方が太りやすいということもありません。
太りやすい本当の原因は糖質ではなく、脂質や総カロリーの問題です。
糖質はどうやって使われる?
炭水化物に含まれる糖質は体のエネルギー源となります。
糖質が不足すると元気が出なかったりします。
糖質が不足するのも問題があります。
パンを食べていても太らない人もいます。
糖質が太る原因になるのは、体の必要以上に糖質を摂ってしまうことにあります。
過剰に摂ってしまった糖質は体脂肪として体に蓄えられます。
体に悪いパンとは?高カロリーのパンは避けるべき
体に悪いパンはカロリーが高い菓子パンや調理パンです。
基本的なパンの原材料のほかに、甘味や脂質がたくさん加えられています。
コンビニやスーパーでたくさん菓子パンや調理パンが売られていますが、こういったパンは高カロリーで主食にするにはよくありません。
菓子パンや調理パンはときどき食べる嗜好品だと認識しましょう。
小麦を使った食品が異常に多いので注意が必要
市販されているものには小麦粉を使った食品が溢れています。
パンにケーキ、ドーナツ、ラーメン、うどん、パスタ、クッキー、菓子パンなど、小麦製品は手軽に購入できるのではないでしょうか?
知らず知らずのうちに小麦をたくさん食べているのが現代人と言っても過言ではありません。
小麦粉に脂質や砂糖がプラスされているのでとびきり美味しいのですが、体には悪影響が考えられます。
小麦は消化に悪いことはあまり知られていない
小麦粉が体に悪いのは糖質の多さだけではなかった・・・
若い頃はあまり感じませんでしたが、40代が近くなってきた30代後半ぐらいで朝にパンを食べると胃が多いような感じがして不快感を感じるようになりました。
それから朝食をパンからご飯に変えてみたところ、胃腸が重いと言ったことがなくなりました。
小麦についてよく調べてみると『消化に悪い』ということがわかりました。
まだ胃が活発に動いていない朝に起きてすぐパンを食べると胃腸が重く感じるのは、小麦の消化の悪さが原因だったのです。
その原因となっているのがグルテンです。
パンの体に悪い成分はグルテン?
米と小麦粉の大きな違いはグルテンが含まれるかどうかです。
全粒粉にもグルテンは含まれています。
小麦が消化に悪いのはグルテンが原因で、小麦アレルギー以外の人にも意外な体への影響があります。
みらい胃・大腸内視鏡クリニックの院長先生のブログにはこのような文章が掲載されています。
パンはグルテンと塩分を多く含むため消化には最悪な食べ物であるだけではなく血糖値も上げてしまいます。
血糖値が上がった後はインスリンというホルモンが分泌され血糖値が下がるのですがこの瞬間に眠気が生じてしまい作業効率や学習に支障が生じます。
朝食はパンと決めている方へ 胃腸の不調はそれです。
グルテンは小麦粉に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という二つのタンパク質がからみ合ってできる成分で、パンのもちもち感や粘り気はグルテンによって生まれます。
グルテンは十分に消化されないまま小腸の粘膜に吸収されてしまうため、消化・分解がされにくいだけでなく、さまざまな問題を起こす可能性が指摘されています。とくにパンは強力粉でつくるため、多くのグルテンを含んでいます。
グルテンが消化吸収を妨げる|プレジデントオンライン
炭水化物は消化に悪い?
この消化器専門医の先生のブログにはこんなことが書かれています。
長年、消化器外科、内視鏡医としての経験からするとうどん、そば、ご飯、おかゆなどの炭水化物と言われるものは、はっきり言って胃での消化はかなり時間が掛かります。
消化の悪い食べ物を知っていますか?
研究によるデータでもご飯は10時間、パンは6時間かかるという結果もあります。細かい時間は抜きにして、私の印象でもご飯は8時間以上はかかります。
ご飯の消化は10時間、パンの消化は6時間かかると。
そもそもパンやご飯には食物繊維が含まれており、食物繊維自体は消化されずに最終的には便として排出されます。
ご飯やパンが消化に悪いと言うのは当たり前のことなのです。
食物繊維は腸内環境を良くしてくれるので、炭水化物はある程度摂った方がいいのです。
ここで注目したいのが消化が悪いことが胃腸に悪いわけでもないこと。
小麦粉にはグルテンが含まれているから腸に影響を与える可能性はあるが、お米の場合はグルテンがないので腸に影響はなく、ただ単に消化に時間がかかるだけ。
消化吸収の観点から見ると適量であればパンもお米も食べても問題ないが、小麦粉のグルテンを食べすぎると腸に問題が出る場合があることは考慮すべき。
小麦粉は依存性が懸念される
小麦粉の依存性は私自身も疑っていましたが、小麦粉には糖質依存させる仕組みが体の中で出来上がってしまうようですね。
現代人にとっては小麦の依存性が意外に体への問題を大きくしていることは考慮すべきかと思います。
当時の私は、朝の仕事が忙しくなければパンを食べ、昼はご飯てんこ盛りの定食かうどん、パスタ。夕食は一人でも食べられるラーメンか、お酒を飲みながらつまみという生活でした。
当然、小麦を摂取しない日はありません。糖分が足りなくなったと自覚したときは清涼飲料水を飲んだり、せんべいを食べたりしていました。
世間一般で考えると、それほど非常識な食生活ではありませんが、今考えると朝からパンを食べることにより、炭水化物を食べ続ける無限ループにはまっていたのです。
医師のくせに炭水化物中毒に気づかなかった|プレジデントライン
消化器専門医の先生なのに、自分が肥満になるまで炭水化物中毒になっていたのに気がつかなかったのだとか。
炭水化物、特に小麦粉を使った『粉もん』あるあるなんですけど、パンを食べたらもっとパンが食べたくなる。
たこ焼きを食べたらもっとたこ焼きを食べたくなる。
うどんにハマればさらにうどんが食べたくなる。
ラーメンにハマるとさらにラーメンが食べたくなる。
カップ麺にハマれば美味しいカップ麺に病みつきになる。
糖質と脂質の強烈な桃源郷が待っているのです。
どれも私自身が経験したことです。
糖質制限をして、特に小麦粉を摂らなくなってそういった食欲はおさまりました。
炭水化物依存になる仕組み
血糖値が上がったあとは、インスリンが分泌され血糖値が下がるのですが、血糖値スパイクのあとは必要以上に血糖値が下がる場合が多く、これを「機能性低血糖症」と呼びます。
低血糖気味になると、「血糖値が下がった」という情報が脳に伝達され、自然と糖質を含む食べ物が欲しくなります。そのため朝食がパンの場合、昼はうどん、夜はパスタなど炭水化物の連鎖になってしまう可能性が高いのです。
炭水化物の無限サイクルに陥る|PRESIDENT ONLINE
小麦粉は血糖値の変化が激しい。
血糖値がガクンと急激に下がると脳は糖質を欲するのだとか。
甘みのあるものや炭水化物がやめられなくなる仕組みです。
私はよく『脳がバグる』と表現しますが、糖質依存はまさに脳がバグった状態です。
糖質を控えれば徐々に脳の暴走はおさまります。
まとめ
- 炭水化物は消化に時間がかかる
- パンはカロリーや糖質が高いので食べるなら全粒粉のパンのほうがいい
- パンにはグルテンが含まれるので食べすぎると腸への悪影響は否定できない
- ごはんはパンより糖質は高いがグルテンは含まれない
- 小麦粉に依存性があることは考慮すべき
パンが体に悪いと言われる原因は、パンの原材料である小麦粉のグルテンにあるが、1日あたり適量ならパンを食べても問題ない。
普通の小麦粉よりも全粒粉の方が栄養価が高くカロリーも糖質も低い。
体調が気になるならパン食よりも米食のほうがおすすめ。